安武はるか 写真展「遠ざかり」2010年10月18日(月)−2010年10月30日(土)13:00-19:00 日曜休廊 最終日-17:00
同時開催:安武はるか「遠ざかり」×ノリノリタナック パフォーマンス
「ラレク」 ―あるいは記憶の街―
作家コメント 学生の頃、いとことサマースクールに参加したことがあります。3週間ほど、寮のようなところで過ごすのです。その場所へ行くにはかなり時間がかかり、車に乗ってしばらくすると、私は眠りに落ちました。 時々、うとうとと薄目で外の風景を見ては、またいつの間にか眠っている・・というのを繰り返しているうちに、とても趣のある通りを走っていたのでした。初めて見るものへの、楽しさと喜びを感じながら、またうとうとと眠っていました。 その夜見た夢は、再びその通りを歩き、嬉々として両親に寮までの行き方を伝えているものでした。夢から覚めても、その楽しさを味わい続けられるほどでした。 写真を撮りながら、道に迷う楽しさを私は感じています。撮影の間中、うろうろと迷い続けています。道をまがる時にどのように続いていくのか、想像通りの時や、いいなと思う時、いいなと思う時は、その道を行ったり来たり、振り返って見たりします。 この写真には具体的に何が写っているのかと考えてみますと、道・空・家・電柱・木々、時に自転車・車・白線などでしょうか。まちと一言で言える気もしますが、まちと言うには写っている場所が狭すぎるようにも思います。 人の住む場所をなぜ撮っているのか、それは私の家が商店街にあったから、というのが一つの理由のような気がします。私がまちに興味を覚えたのは、アルバイトで色々な人の家へ本を配達した時でした。ちょうど初めて海外にも行き、日本の東京のまち、商店街や繁華街ではなく、それぞれの人が自分の・家族との生活をする場所をあらためて、見るということができたのだと思うのです。 この学生の頃に感じたまちへの興味は、薄れずにきっかけとなり、今も写真を撮る力となっているように思います。 安武 はるか |