戸室 健介 写真展
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© kensuke tomuro |
□展示内容:11×14、8×10インチサイズ 約100枚展示予定
戸室 健介 |
東京都出身 |
日本大学芸術学部写真学科入学以降写真を始める |
コニカフォトプレミオ入選 |
現在、金村修ワークショップ受講中 |
写真企画展「public image」運営中 www.publicimagephotographs.com |
展覧会歴 | |
2001年 | publicimage1展参加(神奈川県民ホールギャラリー 第4展示室) |
2011年 | 神奈川県民ホールギャラリー第4展示室「public image 1」 |
2011年 | 横浜美術館レクチャーホール 「public image/anti drawing 1」スライドショー |
作家コメント
蓄える事はできない。私たちは何かを選ぶ事も出来ないし持つ事も出来ない。与えられたものは増え続けるのだが、それがどれだけ増えているのかは私たちには確認できないままに、さらにまた上積みされる。私たちはその中から任意の何かを見つける事も出来ないし、大半は忘却してしまった事なので分からないし記憶にもない。選ぶ事も出来ないし確認は出来ない、上から順番に並べる事だけが許される。だが並べている時にも積み上がってしまうので速度が重要だ。その積み上がる早さに戸惑ったところで抵抗する術を考えている余裕は与えられていない、躊躇する事はできない。私達は支配下に置かれている事を認識させられる。認識し反応する事は出来るけれど、だからと言ってどんなに速度を速めても層は層を重ねて行くだけで減る事はないし一向に止まる気配も見せない。私たちは放棄する事だけを許されるのだ。私たちよりも増え続けるもののほうが優位であり、さらに私たちの所持にならないのであればそれしか方法は無いのだろう。圧倒的なものの前で私たちはスピードと量を求められるが判断は求められない。どれも同じ様に見えるものが増殖して行く中でひとつひとつを見分ける暇はない。個々のものは全て同じ様に見えるのだが決して同じ形でも色でもないのは分かっている。私たちの認識が狂いだしたのか、既にそうであったのかは分からない。考えている余裕はない位に速い、だが、それは私に近づいて来てくれるものではない事だけは分かる。状況を受け止めている訳ではない、受け止める事は所持意識の現れに近いのだから違うはずだ。私たちは既に放棄してしまった存在であり常に優位には立てないけれども間違いなく彼らよりも速いのだろう。