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大山  純平  写真展『Third Order』

2011年5月21日(月)−2012年6月2日(土)

13:00-19:00 日曜休廊 最終日-17:00

略  歴  作家コメント


(c)jumpei oyama
(c)jumpei oyama
(c)jumpei oyama
(c)jumpei oyama
©jumpei oyama

□展示内容:モノクロ写真 20×24インチ 21枚展示予定

作家略歴  

大山  純平

1982年 愛知県生まれ。
2010年 金村修ワークショップ参加



□作家コメント

洋間にある戸棚の引き出しを開ける。
祖父のノートを開く。
鉛筆で日付と文章が書いてある。
日記のようであるが、文字が崩れていて読むことが出来ない。

祖父が家に帰ってきた。
白いビニール袋を1つ持っている。
洋間に入り戸棚の引き出しに白いビニール袋から取り出したものを入れている。
祖父はトイレに向かった。
ビニール袋の中身は犬の首輪とリードだった。
飼い犬はずいぶん前に死んでしまっている。

日曜日はスイミングスクールに行く。
母の車に乗せられてスイミングスクールに着いた。
竜のキャラクターの看板が付いた青色の建物である。
駐車場で母は私を車から降ろすと家に帰って行った。
私は建物の中には入らず、近くの公園に向かった。
公園の時計を確認する。午後3時過ぎ。公園内には誰も居ない。
公園の近くの川の土手を登ると土手の上の道路に自転車が5台停めてある。
私は川で水きり遊びをしようと思い土手を降りた。
河原に行き平らな石を見つけては川に投げ入れる。
土手を登ると自転車は無くなっていた。
土手を降りる途中に首輪を着けていない茶色い中型犬が居た。
犬に近づきしゃがんで手を差し出すと犬は手のにおいを嗅ぎ手を舐め始めた。
私は手を犬の口から首元へ移し撫でた。
公園に戻って時計を確認する。午後4時過ぎ。
私は公園の水道で自分の頭と手提げ袋から取り出した水着を濡らし、歩いて家に帰った。

玄関の戸を開けると麺つゆの匂いがする。昨日の夕食は天ぷらだった。
天ぷらの翌日の夕食は残った天ぷらを麺つゆで煮込んで玉子で閉じたものと決まっている。
水着の入った手提げ袋は脱衣所に置いておく。
トイレのドアが開いている。中を覗くと母がピンク色のうさぎの置物を便器のタンクの上に置いていた。
洋間に行くとテレビで相撲中継がやっている。
祖父は座椅子に座り口を開けたまま寝ている。
机の上には白い小皿があり茶色に変色した2切れのりんごと小さいフォークが置いてある。

夕食を終え、温かいお茶を持って洋間に向かう。
テレビではジブリの映画がやっている。
隣の家の犬が吠えているのが聞こえる。
誰か外にいるのかと思いカーテンの隙間から窓越しに外を覗いた。
外は暗く人影も無いが隣の家の犬は吠え続けている。
家の庭には母の車が停めてあり車の右側にはプランターに植えられた花が並んでいる。
車とプランターの間に目を移すと土手にいた犬が目を光らせてこちらを見ている。
父が車で帰ってきて母の車の左側にバックで駐車をし始めた。
土手の犬は車のエンジン音に驚いた様子で家の裏庭の方へ逃げていってしまった。
私はカーテンを閉めソファーに座り少し冷めたお茶を飲んだ。
裏庭へ向かう通路は狭い上に脚立とバケツと角材が置いてあるので土手の犬が引っ掛かっているのだろうか。
洋間のテレビのちょうど裏側辺りからゴソゴソと物音が聞こえている。

大山純平