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2012年3月26日(月)−2012年4月14日(土)

渡辺兼人 写真展『水脈の貌』

13:00-19:00 日曜休廊

作家略歴    開催のごあいさつ

© kanendo watanabe

“見えない世界を照らしだした瞬間の閃光を放って、意味の光が消えていくとき” 撮影者として、視覚の謎は、解かれるのではなく、謎を謎としてそのまま止めおくこと、視覚の謎は、“見ているという考えから” “考え”を“剥がし”、“見ているという考え”から現に働いている視覚へ移行されるだけである。 “そして内部のある一点によって結び合わされたようになっていて、その一点が目を通って我々を見つめている———その点がこれらの顔や人々の現実であるように思われる———ある果てのない空間の中の際限のない現実” 撮影者は、他者であり瞬時に自己である貌(かお)をもった匍匐(はらば)い消滅する存在なのか。 Garry Winogrand、Walker Evans。ただそこの人がいるという、理不尽さが撮影者を、困惑させる。


展示内容 : モノクロ写真 18×22インチ 約18点展示予定


 

作家略歴 

1947 東京に生まれる
  1969 東京綜合写真専門学校卒業
  1982 第7回木村伊兵衛賞受賞
  1973年より現在まで個展・グループ展多数
 

出   版

1980 『既視の街』新潮社
2003 『渡辺兼人 写真集』何必館・京都現代美術館

コレクション

東京都写真美術館(東京)
  A.O.I. ギャラリー(U.S.A.)
  ツアイト・フォト・サロン(東京)
  何必館・京都現代美術館(京都)
  川崎市民ミュージアム(神奈川)
  エッグ・ギャラリー(東京)
  江寿画廊(京都)
  ギャラリー メスタージャ(東京)


開催のごあいさつ
ギャラリーメスタージャは、来る2012年3月26日(月)から4月14日(土)まで、企画展として渡辺兼人写真展『水脈の貌』を開催いたします。是非御高覧いただきますよう、お待ち申しあげております。

己の身体と他者の身体に写真機は翻弄される。
動く被写体を追い、指先がシャッターを押下するまさにその時、写真家の眼は何を契機にフレームを構成しようとするのか・・・。
一連の運動の中で撮影者は自ら動きつつ他者の動きを追う。
そしてその動きから己の指先の動きを誘発する。あるいはされる。
久しく動くものを被写体として選択していなかった渡辺が、予測不能な身体を撮る。
それは撮影者の意図を徹底的に無化する他者の動きだ。
他者の動きに自らを賭けること。その時自らの存在はその動きにのみに依る。
静止することで成り立つ写真が、深化しようのない「動き」という「いまここ」によって避けがたくナニモノデモナイモノに深化するという逆説。

ギャラリーメスタージャ 外久保恵子