2013年6月3日(月)−2013年6月22日(土)徐 英一写真展『THAT DAY, THAT TIME 2006-2013』13:00-19:00 祝日開廊・日曜休廊© SUH YOUNGIL 展示作品:カラー写真 20×24インチ、11×14インチ 約20点展示予定
徐 英一は日本で生活するようになって30年あまり、今は1年の半分を日本で、もう半分は祖国韓国で過ごしている。 今回の作品は、2007年のギャラリーメスタージャにおける『THAT DAY, THAT TIME』の姿勢と基本的に変化はない。 ただ前回と決定的に違うのは、画面に意識的に人をいれていることである。 徐は母国にあるそれら建築物を見るとき、寂しさにも似た切ない感情が湧きあがると言う。それがいつまでも在ってほしい、と思う。 あたかも相反するようなその感情を、われわれが『わかる』としたら、それはどのようなことによってなのだろうか。 写真を前に、日本式建築物を指し示され、韓国式のものと日本式のものの違いを見、あるいはそのために発せられた声を聴く。そのうえでわれわれ自ら『それはどのようなことなのか』ということをひとつずつ気づいていくしかないのであり、ただその行為を繰り返してこそ、『わかる』という充足した状態に僅かでも近づくことが、あり得るかもしれない。 徐の写真は、そこに何を見るかという『自由』、と同時にそこに何を見るべきかという『不自由』の境界を緩やかに、しかし確固たる意志で可視化する。 ギャラリーメスタージャ 外久保恵子 |