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2013年4月22日(月)−2013年5月11日(土)

渡辺兼人写真展『真菰は』

13:00-19:00 祝日開廊・日曜休廊

作家略歴    開催のごあいさつ

© kanendo watanabe



展示内容 : 18×22インチ 約8点、14×17インチ 約7点展示予定



 

作家略歴

  1947 東京に生まれる
    1969 東京綜合写真専門学校卒業
    1982 第7回木村伊兵衛賞受賞


       

個  展   

1973   『暗黒の夢想』ニコン・サロン(東京)
  1974   『神秘の家、あるいはエルベノンの狂気』シミズ画廊(東京)
  1981   『既視の街』ニコン・サロン(東京)
  1982   『逆倒都市』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  1983   『逆倒都市U』ツアイト・フォト・サロン(東京)
      『類と類型』オリンパス・ギャラリー(東京)
  1984   『逆倒都市V』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  1985   『人形1973-1983(制作 四谷シモン)』
      『ジャック・ザ・リパーに関する断片的資料1973』つくば写真美術館'85(つくば市)
  1987   『YAMATO-TOKYO』Gスペース(東京)
  1988 『YAMATO-大和』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  1990   『YAMATO-F』朝日ギャラリー(東京)
      『彷徨・写真・城市』パストレイズ・フォト・ギャラリー(横浜)
  1992   『L'ATALANTE』平永町橋ギャラリー(東京)
      『昭和六十六年 葉月』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  1993   『YAMATO1987-1990』ピクチャー・フォト・スペース(大阪)
  1994   『神無月迄』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  1996   『水無月の雫(参)』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  1997   『水無月の雫』江寿画廊(京都)
  1998   『半島』エッグ・ギャラリー(東京)
  1999   『半島』江寿画廊(京都)
  2000   『孤島』銀座九美洞ギャラリー(東京)
      『(島) 光の暴力』エッグ・ギャラリー(東京)
  2003   『渡辺兼人 写真展』何必館・京都現代美術館(京都)
  2004   『陰は溶解する蜜_の』ツアイト・フォト・サロン(東京)
  2005   『孤島』アートプランニングルーム青山(東京)
  2006   『雨』ギャラリー山口(東京)
  2007   『摂津國 月の船』ギャラリー メスタージャ(東京)
  2008   『雨の営み』巷房(東京)
  2010   『忍冬・帰還』何必館・京都現代美術館(京都)
      『忍冬・帰還』ギャラリー メスタージャ(東京)
  2012   『水脈の貌』ギャラリー メスタージャ(東京)

グループ展   

1985   『パリ・ニューヨーク・東京』つくば写真美術館'85(つくば市)
  1986   『日本現代写真展』(バルセロナ、マドリッド、ビルバオ、バレンシア巡回)
  2008   『シネフィルと写真』ギャラリー メスタージャ(東京)

出   版

1980   『既視の街』(新潮社)
2003   『渡辺兼人 写真集』(何必館・京都現代美術館)

コレクション

東京都写真美術館(東京)
  A.O.I. ギャラリー(U.S.A.)
  ツアイト・フォト・サロン(東京)
  何必館・京都現代美術館(京都)
  川崎市民ミュージアム(神奈川)
  エッグ・ギャラリー(東京)
  江寿画廊(京都)
  ギャラリー メスタージャ(東京)



限りなく白に近い灰色の空、川面を規則的に揺らす雨粒、濡れたアスファルト、時折水たまりを通り過ぎる轍、そして鬱蒼と生茂る真菰。
あまりにも即物的なそれらに対して何かを語ろうとすることは全く愚かなことのように思える。
何故か。

雨や真菰は写真を撮ることのちょっとした言い訳に過ぎないのではないだろうか。
そもそもそこやそれにとらわれたからこそ写真機を向けるのではないのか。
そうではなく、目の前のものを消去するために、なにも写っていないことを確認するために写真機を向けているようだ。

しかし、とらわれるということは、なにも面白おかしいことに惹かれることではない。
むしろとらわれることがないことを確認するために、それにとらわれるのだ。
それはほとんど強迫的な情念。

写っているものに向けられる言葉は、紡ぎだせばだすほどそこからはるか遠くへ、そして述語を欠いた主語は永劫に宙にとどまる。

ギャラリーメスタージャ 外久保恵子