|
Kim Dongjin |
|
1963. |
born in Korea |
|
|
1989. |
graduate from Myongji Univ. Korea |
|
|
1995. |
graduate from Tokyo College of Photography, Japan |
|
|
1996. |
complete a course in Photography from Tokyo Zokei University, Japan |
|
|
|
|
solo exhibition |
1995. |
[Fence] Gallery Ledeco 6 (Tokyo) |
|
1997. |
[Borderline] Samsung Photo Gallery (Seoul) |
|
1998. |
[city-line] ZEIT-FOTO SALON (Tokyo) |
|
1999. |
[city-line] Gallery Coju (Kyoto) |
|
|
[soil stratum] Egg Gallery (Tokyo) |
|
2000. |
[in the morning] Seonam Photo Gallery (Seoul) |
|
2001. |
[soil stratum II] Lux Gallery (Seoul) |
|
2002. |
[Plate] Sun & Moon Gallery (Seoul) |
|
2008. |
[The Stream] Beansseoul Gallery (Seoul) |
|
2010. |
[Nanji island] Beansseoul Gallery (Seoul) |
|
2011. |
[A Landscape - The Consideration about Seoul scenery] Shinjuku Nikon Salon (Tokyo) |
|
2013. |
[Cities of Tomorrow] Beansseoul Gallery (Seoul) |
group exhibition |
1995. |
[independent exhibition] Egg gallery (Tokyo) |
|
1997. |
[Homecoming Exhibition] Samsung Photo Gallery (Seoul) |
|
2000. |
[Millennium Exhibition] Hyundai Department Gallery (Seoul) |
|
2012. |
[Mega Seoul 4 decades] The Museum of photography (Seoul) |
Publication |
2012. |
A Landscape - The Consideration about Seoul scenery / Hans Graphic |
今回の写真は、2012年韓国の映画、Kim Ki-Duk監督『ピエタ』を見てから撮影を始めましたが、撮影のきっかけになったのは映画の内容よりロケ地でした。
そこは1962年、ソウルの象徴物としてソウル市と建築家、企業の合作としてソウルの真ん中の道路をいくつか横切って作られた大きい建物です。
建物の下は車が通り、1階から5階までは商店や金型、印刷工場、工作店など都市に関連のものを売ったり作ったりする、基幹産業の集まりでした。
その建物が中心となって半径1キロあたり波紋のようにお店などが互いに影響を取り交わす形でソウルの近代からの姿を見せています。
今は規模がもっとも大きくなり、また公害などの問題、買い物パターンの変化などで都心から離れました。
しかし一見さびているように見えますが、土地の持ち主が資本家で、また土地の値段も天文学的でなかなか開発は進んでいませんが、最近少しずつ大きい建物に変わりつつあります。
それらの建物から見下ろして撮影をし始めたのが今回の作業の始まりです。
撮影したところは築4〜50年たった古くてそれほど高くない建物や駐車場です。
新築ビルは許可も出ないし、もし上ったとしてもガラスに囲まれて透明に見えないどころか、あまりにも高すぎてただ展望するだけだったのでやめました。
最初は風景自体が古びていたりしてかなりドラマチックなところに惹かれましたが、徐々に撮影場所を広げ、ビルの屋上や非常階段から隣の建物の重なり具合や個性のある作り、または好き勝手に置かれているものや状況は、その時代の人々の素直な表現であることに気づき始めました。
建物の材質や形の違い、色具合など人間の素朴な痕跡を感じることがまた面白いです。
という状況の中で、微かに見える向こう側からは新しく芽生えてくる高層ビルはかなりの違和感やアシメトリー(不調和)を感じます。
谷崎潤一郎の『陰翳礼賛』で時代の変化に伴い、ものごとや人間の心の変化に惜しむ気持ちを表したのと同様なことを、私は変わりつつある建物の片貌から感じています。
いかなる都市も人間の喜怒哀樂の空間と神の領域が共存する。
都市の人間が踏むところは地面ではなく人工空間でありましょう。
その人工物の高さからやがてそれらの姿を観察することができうる。
そして得られた収穫は、神話となってゆく時代の素顔ではなかろうか。
金 東辰